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ねんまつ。
「はいヴォルフ、こっちの書類に目を通しといてください」
「おう」
「はいエミーリア、あなたはこっちのデータにサインを」
「はいですの」
司令官補佐の燦斗、ヴォルフ、エミーリアの3人が司令官室にて業務中。
言動はゆるやかなものだが、3人の手元は忙しなく動いていた。
去年はヴォルフとエミーリアが帰宅したのもあったため、今年は逃さないとなったらしい。
まあ、逃さないと決めたのは燦斗ではなく司令官システムなのだが。
お、ヴォルフとエミーリアちゃんもいるね~
今年はこの様子だと、スヴェンさん出さなくても良さそう?
人手足りないなら出すって話になってるけど
――Escroc Chercheur.
そんな中、司令官システムからエスクロが様子を見に来た。
去年の惨状を知っているが故に、今年は人手を増やす方向で予定が組まれたようだ。
燦斗とヴォルフとエミーリアの3人がいるなら大丈夫、とシステム側では判断が着いたらしいが、
現場は現場で忙しさにまみれているようで……。
「いいからスヴェンとドレット出してこいやエスクロォ!!」
『えっ何。大丈夫そうだと思うんだけど』
「書類の数よりも休暇申請のほうが多くて困ってんですの~~!!」
『えっ嘘!? こっちなんも届いてないが!?』
「そりゃシステム組んでないから申請出せないんでしょう? はい、父上とスヴェンさんもおいで~」
『ごめんっ! 今すぐあの2人派遣します!! あとシステム整備します!!』
エスクロより休暇申請のシステムを整備すると言質を取った補佐3人。
その一瞬だけは、3人揃ってぐっと拳を握り、喜ぶ様子を見せていたという……。

これは、猟兵達の秘密の物語。
記録と記憶に残るだけの、小さな物語。
シークレット・テイル
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